【第9回目その1】「選ぶ」というテクニック
選ぶ作業

この記事は2020年4月6日に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

INDEX
  1. ▼準備が6で、実践4
  2. ▼みんなで作るとはどういうことか
  3. ▼みんなで作るときのテクニック:見せ方

▼準備が6で、実践4

ひとつのお芝居を完成させるとき、「自分で準備するパート」と「みんなで合わせるパート」の比率はどれくらいだと思いますか?

大まかには、次のような感じです。

  • 自分で作るパート:6割

→台本解釈、役作り、練習

  • みんなで作るパート:4割

→演技合わせ

実は「自分で行う準備」のほうが6割と、多い比率になります。

「自分で行う準備」は簡単です。

  • 目的
  • 言動

を準備して、台本を覚えて、自分の中で演技の大まかな流れを想像しておくことです。

▼みんなで作るとはどういうことか

何をしたら「みんなで作る」と言えるのでしょうか?

各自で演じ合って、必要な箇所を調整する?

いいえ、これだけでは少しぼやけています。ここがぼやけたままだと「みんなで集まってるはずなのに、各自が個別練習しているような状況」に陥りかねません。

改めて各自で準備するものは次のとおりです。

  • 目的
  • 言動

これらを各役者が集まって演技を合わせたとき、調整(変化)が必要なのは、どの部分でしょうか?

「みんなで作る」ときに調整するものは、このうちの「言動」のみです。

「言動」は目的達成のために取る行動です。言動とは観客が見る「もっとも表層的な面」です。

目的達成のために取りうる言動は多数あります。そのため言動を変更したところで、目的さえブレなければ問題ありません。だから言動がもっとも動かしやすい、調整しやすい部分なんです。

つまり「みんなで作る」とは「役、目的を変えずに、言動を変えること」です。

▼みんなで作るときのテクニック:見せ方

あえてテクニックという言葉を使います。

見せ方とは、「お客さんからはどう見えるの?」「お客さんにどう見せたいの?」という部分に特化した考え方です。

いちばんシンプルで確実なテクニックをお伝えします。

それが「選ぶ作業」です。

例えば、たらこスパゲティを想像してください。

たらこスパゲティを作る時に必要な材料は何でしょうか?

たらこスパゲッティのイラスト

  • パスタ
  • たらこ
  • バター
  • 大葉
  • 海苔

など

当たり前にこういった材料を「選び取る」と思います。

では、たらこスパゲティの材料を知らない人や、「選び取る」力が足りない人はどうなるでしょうか?

  • ごま油?

→バターの代わりになるかな…?

  • わかめ?

→海苔と似てるし良いよね…?

  • うまい棒めんたいこ味?

→めんたいこの味するし行ける…?

といった「選び取るミス」を犯します。

お芝居でも料理でも、この選び取る力が足りない人は、取捨選択ミスを犯してしまうんです。

「美味しいたらこスパゲティの完成像」が想像できるからこそ、私たちはパスタのレシピを選び取ることが出来ます。

では、お芝居ではどうでしょうか?「おもしろいお芝居の完成像」が想像できるでしょうか?

例えば料理を知らない人が、たらこスパゲティを作るにあたって、うまい棒めんたいこ味を入れたとしましょう。

「あれ?なんか違うなぁ」と思ったとき、うまい棒めんたいこ味を、うまい棒たこやき味に変えるなどの試行錯誤をしてしまいます。

でも、そうじゃないですよね。根本から変えないといけないんです。

お芝居でも「実は根本から変えなきゃいけない表現」を「なんか微調整だけで行ける気がする」と固着してしまうことが、「選び取る力が足りない」ところの恐ろしさなのです。

「選ぶ作業」が一番のテクニックだと思っておいて下さい。

がんばりましょう!