
デフォルメとは、「特徴をはっきり見せること」です。
では、特徴をはっきりと見せるためには、いったい何をすればよいのでしょうか?
例えば「おじいちゃんとおばあちゃんを演じ分けてください」と言われたとき、あなたならどうしますか?
- 声の高低で演じ分ける?
- 口調を演じ分ける?
うーん、どれも決定打には欠けるような気がします。
ここで、「役のどの部分をデフォルメするか?」をしっかりと選んであげる必要があります。
▼特徴の解像度を上げて「差」を付ける
何をデフォルメすればいいかは、「解像度の高い部分」をデフォルメすることです。
解像度とはつまり、人間で例えると、
解像度1.人間である
解像度2.男女の違いがある
解像度3.顔の大きさに違いがある
解像度4.まつ毛の長さに違いがある
解像度5.一重と二重の違いがある
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のように、解像度が高くなるほど詳細な特徴が見えるということです。
役は「人間」が演じているのですから、「他の役との違い」を拾ってあげることが重要です。解像度が低いままだと、観客は違いが分からなくなって「どっちも同じ人間じゃん」と言われる原因になります。
今度は「ゆるキャラ」で例えてみましょう。
彦根市のゆるキャラ、ひこにゃんの特徴を挙げられますか?
- ツノのついた兜
- 白い
- ねこ など
では、米沢市のゆるキャラ、かねたんを知っているでしょうか?
- 愛と書かれた兜
- 白い
- ねこ? など
この例で言うなら、「かねたん」を演じるには「白いふわふわの動物」だけではデフォルメが足らないということです。
白いふわふわという特徴を捉えただけでは「・・・なにかのゆるキャラですか?」と言われてしまうだけです。
もっと解像度を高くして、他の役と違う特徴を拾ってあげる必要があるということです。
言葉で言うのは簡単ですが、実際には難しいものです。
お芝居だと、なかなか「特徴を拾えているようで特徴になっていないケース」があります。
例えば「むかし恋人を殺された暗い過去を持つ」という特徴は、目に見えないのでデフォルメできませんよね。
じゃあ、陽キャと陰キャの特徴はどうでしょう?
陰キャラは用キャラの、陽キャラは陰キャラとの「差」を意識してあげるだけで、だいぶやりやすいはずですね。
他の役を見ないと、自分の役のデフォルメは定まりません。それぞれが「どういう相関関係を持っているか」を前提に見ないと差別化ができないからです。
次もデフォルメの話です。がんばりましょう!