「CBDオイル」「CBDリキッド」という製品をご存知でしょうか?
今回は「CBDという単語を初めて聞く」方向けに、わかりやすくご説明します。
わたしは、楽天ショップで販売されているこのCBDオイルを試すことにしました。
→これです
CBDのおもな効能は、
- ストレスが減って気持ちが楽になる
- 過剰なあがり症がやわらぐ
- 過度な不安感が軽くなる
- 肌つやがよくなる
など、良いことがたくさんあると言われています。
「向精神薬とどう違うの?あやしい…」と思う気持ちもわかります。
ですが、CBDはあなたに「穏やかな気持ちで人生を過ごせる」・「落ち着いて目の前の課題に取り組めるチャンス」をもたらす可能性があります。これはとっても大きなメリットです。CBDは、未来を左右する出会いになるかもしれません。
これからお話しする内容をよく読んで、「他人事ではない自分ごと」に置き換えてほしいと願っています。
ただし!わたしの意見には矛盾というか、悩んでいる内容もあります。最後のほうにある「CBDを誰にでも勧めてよいのか、悩みどころ」でありのままを書いています。
CBDとは
CBDとは、カンナビジオールとも言って、「大麻」に含まれる植物成分の一種です。
そう、あの所持・栽培・販売をすると逮捕される大麻の成分です。
こう聞くと「ヒェ〜とんでもないものに手を出したな」と思う方もいるかもしれません。
しかし、このCBD成分は日本でも「明確に合法」な成分です。グレーゾーンとか危険ドラッグとかじゃなくて、どホワイトです。違法の大麻成分「THC」とは別物なのです。
このCBDを飲んだり、舐めたり、塗ったり、蒸気で吸っても「ハイテンション」になることはありません。しいていうならリラックス効果があります。世界アンチドーピング機構(WADA)でもCBDは除外されています。
そしていまCBDは、世界がものすごく注目する成分なんです。
CBDのメリットとデメリット
CBDを摂取すると、次のような作用が期待できます。
期待されるメリット
- 不安やストレスの軽減
- うつ症状の改善
- 不眠症状の改善
- アトピーの改善
- てんかんの改善
- 吐き気の改善
- 炎症の緩和
など
想定されるデメリット
- いくつかの副作用のおそれ
「いくらなんでも良いことばかりでは?」と思われるでしょうか?ですがこれからお話する根拠の多くは、WHO(世界保健機構)が2017年に公表した「カンナビジオール(CBD)事前審査報告書」をもとに書いています。
参考サイト:WHO/ECDDによるカンナビジオール(CBD)事前審査報告書の日本語訳をしました
「都合のいい情報だけを書き並べてるのでは」と思われる方のために、記事の最後にWHOが引用している論文のリンクも貼ります。もしもおかしな点があれば、ぜひご指摘ください。お願いします。
こんな人にCBDを試してほしい!
CBDの魅力は、個人的になんといっても「メリットの多さとデメリットの少なさ」にあると思います。
たとえば、なんだか不安な気持ちを抱える方がいたら、ぜひCBDオイルを試してみてほしいです。
あるいはアレルギー(炎症)に悩む方がいたら、同じく試してみてほしいです。花粉アレルギーも、CBDのもつ抗炎症作用で、効果が見込めます。
CBDは脂肪に少しずつ蓄積されると考えられていて、一般的に「3ヶ月程度続けて効果があるか見届ける」と言われています。
仮に副作用が出たとしても、その影響はさほど大きくない可能性が高いです。CBDをやめること自体に弊害はなく、いわゆる離脱症状も特にありません。気軽にはじめて、気軽にやめられます。
ただし!精神疾患や病気といった問題を抱えている方は、ちゃんと医師に診てもらいましょう。そしてCBDの服用前に、CBDを摂取することを医師に伝えましょう。飲み合わせに注意が必要なためです。
身体にどう作用するの?
人間をふくむ脊椎動物の身体には、エンド・カンナビノイド・システム(ECS)という機能が備わっています。
神経細胞と免疫細胞の多くは「カンナビノイド受容体」という、カンナビノイドを受け取るための受け皿を持っています。6億年前の生物ホヤにもあるっていうんですから、驚きです。
- 神経細胞・・・受容体CB1を持つ
- 免疫細胞・・・受容体CB2を持つ
画像はカンナビノイド受容体(CB1,CB2)の分布を示したもの(引用元:SATIMED USA)
エンド・カンナビノイド・システムでは、免疫活動(炎症)、食欲、痛み、感覚、気分、睡眠、記憶、認知、受精、妊娠、発育・・・といったさまざまな身体機能の調整を行っています。
カンナビノイドとカンナビノイド受容体は、まるで「鍵と鍵穴」のような役割で、セットで身体の恒常性を保っています。このカンナビノイドが不足すると、身体は正常な活動ができなくなります。
そこでカンナビノイドを補給する方法は2つあります。体内で生成する(内因性カンナビノイドといいます)か、外部から取り入れるかです。
体内で内因性カンナビノイドが正常に作られていれば問題ないのですが、体内のカンナビノイド生成量は、加齢やストレスの影響で減少することが分かっています。さらに面倒なことに、体内にはカンナビノイド分解酵素も存在します。
この不足しがちなカンナビノイドをCBD(カンナビジオール)で補給することで、健康が増進するということなんですね!なるほど!
向不安薬(精神安定剤)とどう違うの?
不安やストレスを緩和する手段としては医師に処方してもらう精神安定剤もありますが、CBDとどう違うのでしょうか。
1つは、依存性の有無です。
やはり精神に作用する薬は、強さによって差はありますが依存性が生まれます。いっぽうCBDには多くの論文で依存性が無いことが分かっています。
参考:精神科医が16種類の精神安定剤(抗不安薬)について徹底解説!
2つ目は効き目に危険が少ない点です。
薬は効果の弱いものから強いものまでさまざまで、用法用量を守らないと主作用・副作用が強く出ます。いっぽうCBDを過剰摂取したとしても、「ひどく眠い、ひどく落ち着く」といったことはあっても、昏睡に至るなどの危険は無いと言っていいと考えられます。
※医薬品との併用は、かならず医師と相談しましょう。WHOの報告書にも記載されています
大麻原料のCBDと、オレンジ原料のCBD
2020年現在、CBDは2種類あります。「大麻を原料としたCBD」と「オレンジを原料としたCBD」です。
どっちがいいのでしょうか?個人的には「大麻由来の製品に抵抗がなければ大麻原料のCBD」を選び、そうでないなら「オレンジ由来のCBD」でいいと思います。
理由は次のとおりです。
- フルスペクトラムを選べばアントラージュ効果が期待できる
- フルスペクトラムを選びたいなら大麻由来しかない
後日、詳しく説明します(作成中)
副作用、デメリットについて
CBD摂取にリスクは少ないと多くの研究結果が出ています。しかしカンナビノイド受容体の発見は1988年と歴史が浅く(elixinol:カンナビノイドの発見者は?)、まだ判明していない作用も中にはあるはずです。現在までで分かっている副作用を紹介します。
肝臓酵素の阻害
例えば、グレープフルーツと薬を一緒に摂ってはいけないことをご存知でしょうか。グレープフルーツには肝臓酵素を阻害する効果があって、薬の作用が強くなり、つよい副作用が出るおそれがあるためです。
同じくCBDにも肝臓酵素の阻害作用があります。薬と併用の際は、かならず医師に確認を行ってください。
また国立生物工学情報センター (NCBI)等で、次のような副作用が報告されています。
口の乾き
唾液が少なくなり、唇や口が乾燥する可能性があります。これは、水をこまめに飲むことで解決すると思います。
低血圧
WHO報告書p12によると、緊張状態にある場合、心拍数や血圧が一時的に低下する可能性がある、と書いています。個人的にこれは安息効果と言えるのではないでしょうか。
眠気
CBDの摂取後、眠気が出る場合があります。
参考論文:ドラベ症候群の薬剤耐性発作に対するカンナビジオールの試験
依存性はないの?
ありません。WHOの報告書では乱用の可能性や、依存性が無いことを示す内容が書かれています(WHO報告書p14)。
死亡例とかないの?
CBD摂取が原因による死亡例を探しましたが、見つかりませんでした。
参考までに「大麻」に関する研究によると、アルコールが安全量の10倍が限度なのに対して、大麻は1万倍が限度と推測されていて、「他の精神活性物質よりも(中略)もっとも安全である」と結論づけています。(WHO-大麻及び大麻樹脂事前審査報告書p34)
CBDはおろか、危険な成分であるTHCに直接関わる死亡例も確認されていないそうです(大麻でハイになって事故死した例などはあると思います)。
個人の見解ですが、大麻のうち安息成分である「CBD」単体で見ると、さらに安全であると言ってよいのではないでしょうか。
その他、身体に悪影響は?
ドラベ症候群(てんかん)の薬剤耐性発作に対するカンナビジオールの試験という論文によると、CBDを毎日投与した患者グループの約3割に下痢、食用不振、眠気の身体症状が出たそうです。※ただし、偽薬でも約1割の患者グループに同じ症状が出ています
また、CBDそのものではなく、CBDの摂取方法にも気を使う必要があります。品質の悪い製品を使ったり、CBD以外を取り込んでしまう吸引方法(紙巻きたばこなど)だと、CBD以外の悪影響が出る可能性があります。
よくわからない会社ではなく、信頼ある製造元から買うのが確実ということでしょう。そういう意味では、わたしも楽天で1本3000円のCBDオイルを買ってよかったのか不安です。数十時間いろんなサイトを見てみましたが、もっとも信頼がおけるのは老舗ファーマヘンプ社の商品という気がします。後日試します。
さらに付け加えると、ニューヨーク州では「食品添加物として安全とみなされるまで、CBD入り食品を販売しないように」と、CBDの経口摂取を禁止しています。
CBDの摂取を避けたほうがいい人
- 妊婦、授乳中の方:胎児や母乳に影響があります
- 服薬中の方:医師と要相談です
- 運転手:眠気や鎮静効果に注意が必要です(アメリカ食品医薬品局)
- 未成年:身体が成熟する前の摂取は避けたほうがよいそうです
CBDを誰にでも勧めてよいのか、悩みどころ
CBDを心からおすすめしてよいのか、正直とっても悩んでいます。
わたし個人の意見として、CBDは、うつ・不安傾向のある方、ストレスを抱えやすい方にぜひとも試してほしい「人生を変えるかもしれない一品」です。
しかし、うつ・不安傾向のある方はそもそも医師にかかったほうがいいのではないか?いやかかるべきでしょう、という考えも持っています。
そして医師に相談した結果、きっと「グレープフルーツと同じ肝臓酵素の阻害がある?じゃあダメです。CBDを摂取しないでください」と言うと思います。
※自由診療でCBDを取り入れている病院もあるようですね
医療法人ほがらか会-CBDオイル/臨床CBDオイル研究会-実践医療機関
同じく、CBDにはがん細胞をやっつける効果も期待されています(WHO報告書p17)。でも、抗がん剤との併用は「肝臓酵素の阻害」のこともあって医師とよくよく相談が必要です。※抗がん剤の副作用を抑えるためにCBDを投与している医療機関もあるようです
この考えを整理すると、矛盾というか、だいぶ限定的な方にしか向かない製品なのでは・・・という気もしています。
日本は国民皆保険だから、「セルフメディケーション」という考え方がまだ浸透していないし、おすすめしてはいけない方だっています。
妥当な結論としては「興味がある方はよく調べてからお使い下さい」といった感じです。
まとめ:リスクを理解しつつ検討を!
個人的には、CBDを試してみることについて「リスクらしいリスクなど存在しない」と思っています。試して合わなければ、じゅうぶんに引き返せます。
ただし、見方はさまざまです。
ニューヨーク州では安全が約束されていないという理由でCBDを食品に混ぜることを禁止しています。「長期的な影響が確認できない」と指摘する研究者もいます。
最後に個人的な暴論ですが、酒、たばこなどという人を悲しませるドラッグと比較すると100倍良いんじゃない?と思ってます。
論拠となる論文引用元など
- うつ症状の改善
- ストレスの緩和
- 不眠症の改善
- アトピーの改善
- てんかんの改善(WHO報告書p15、[60][61][62][63][64][65][66])
- 炎症の改善:カンナビジオールの抗生物質特性の決定
- がんの改善(WHO報告書p13、p23/カンナビジオールの安全性と副作用に関する最新情報:臨床データと関連動物研究のレビュー/大麻の成分であるカンナビジオールの安全性と副作用)
- 疾患の改善例:カンナビジオール最先端の治療用途の新たな課題
- 乱用、依存の可能性について:WHO報告書p14
※ひきつづき追記中です
参考URL
臨床CBDオイル研究会-CBDオイルで、治すことができる病があります。
大麻およびカンナビジオール(CBD)を含む大麻由来製品のFDA規制
CBD(カンナビジオール)に関するよくある質問 、疑問Q&A