この記事は2019年5月16日に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

こんにちは。

渡辺亮平です。

赤さん
赤さん
カンボジアってどうして急激に経済成長してるの?理由を知りたい!

ok baby.
亮平
亮平

この記事では、そんな疑問を持っている方に向けて、

・カンボジアが経済成長している理由
・カンボジアの経済成長を支えている産業
・カンボジアの経済成長の不安要素

などの情報を紹介していきます。

3分くらいでサクッと読める上に、カンボジアがなぜ急激に経済成長しているのか?その理由を十分に知ることができますので、ぜひご一読ください。

INDEX
  1. カンボジアは毎年高く経済成長をし続けている
  2. カンボジアが経済成長している理由
    1. 1.労働者の賃金が安い
    2. 2.若い労働者がたくさんいる
    3. 3.外国人観光客が増加している
  3. カンボジアの経済成長は縫製品の輸出が支えている
  4. カンボジアの経済成長の不安要素
    1. 1.政局の不安がリスクになっている
    2. 2.中国の影響力が増加している
  5. まとめ

カンボジアは毎年高く経済成長をし続けている

カンボジアは、東南アジアでも屈指の経済成長をしている国です。

具体的なデータを示すと、2018年は7%の経済成長を果たしました。

引用元↓(13ページ目)
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/forecast/outlook_181214.pdf

現在は、アジア全体で高度成長が続いていますが、どの国を見ても経済成長率は高くても6%台です。

東南アジア全体の平均経済成長率は、2018年は5.2%でした。

なので、カンボジアの7%の成長率というのは、驚くような高さですね。

このカンボジアが、毎年高く経済成長をし続けている理由を、次から紹介していきます。

カンボジアが経済成長している理由

カンボジアが高く経済成長している主な理由としては、以下のようなものがあります。

1.労働者の賃金が安い
2.若い労働者がたくさんいる
3.外国人観光客が増加している

それぞれの要素が、国の経済成長には欠かせない重要な要素となっているのです。
ここから、それぞれのくわしい内容を紹介していきますね。

1.労働者の賃金が安い

カンボジアの経済成長率が高い理由の一つとして、

先進国などに比べて、労働者の賃金がとても安いということがあります。

カンボジアは、経済成長しているといっても、先進国に比べたらまだまだ開発の進んでいない発展途上国なのです。

カンボジアの一人あたりGDPは、2018は1,508ドルと、日本の一人あたりGDP(39,305ドル)と比べて非常に低い水準になっています。

引用元↓

一人あたりのGDPが低い国では、労働賃金が非常に安いのです。

GDPとは…ある国で一定期間内に生み出された財産・サービスの売上のこと

その安い労働賃金を求めて、外国の企業がカンボジアに自社の工場を立てるなどした結果、毎年労働者の年収が上がってきています。

国民全体の年収が上がってくれば、それだけ国家全体の経済成長率も増加してくるのです。

2.若い労働者がたくさんいる

カンボジアは人口比率で見て、非常に若い世代が多い国です。

カンボジアは、かつての内戦の影響で、中年層以降の人口が少なくなっています。
なので、相対的に若年層が多くなっているのです。

具体的な数値では、30歳未満の人口が60%、また40歳未満の人口では75%を占めています。

出典(画像はhttps://mimir-inc.biz/media/overseas/overseas_cambodia_1/から)
UN, Demographic Yearbook system, Demographic Yearbook

この人口ピラミッドが示しているように、カンボジアでは35歳以上の層の人口が圧倒的に少ないです。

35歳未満の若くて就労できる人口が多いということは、高い経済成長をするために非常に重要なメリットになるのです。

若い労働者人口が多いことにメリットを感じた外国企業の工場を誘致することによって、いまもカンボジアは高い経済成長を達成できているのです。

3.外国人観光客が増加している

カンボジアの経済成長を押し上げている要素として重要なのが、外国人観光客の増加です。

2016年のカンボジアの観光業収入は32億ドル。
この数値は、カンボジア経済全体の一年のGDP約200億ドルの内の16%を占めています。

引用元https://www.dir.co.jp/report/asia/asian_insight/20170727_012171.html

外国人を対象にした観光業は、重要な外貨獲得手段。
なので、政府も積極的に観光業の発展を後押ししています。

カンボジア政府は、観光業の発展を後押しするために、

・各国との直通便の誘致
・外資によるリゾートホテル建設

などの政策を積極的に進めてきました。

その結果、2011~2016年までの間にカンボジアを訪れる外国人観光客数を、年率平均で11.7%も増加させることに成功しました。

カンボジア政府は、カンボジアを訪れる外国人観光客数を2020年までに750万人までに引き上げるように目標設定しています。

この750万人という目標に関しては、2015年には外国人観光客数が450万人に達したので、年率11.7%の増加率を維持し続ければ、十分に達成可能な数値となっています。

ちなみにカンボジアは、近年関係を深めている中国からの観光客を、特に力を入れて誘致するようにしています。

政府は、目標750万人のうち、200万人を中国からの観光客にするという目標を掲げています。

そして、すでに2016年時点で83万人の中国人観光客の来訪を実現させています。

カンボジアの経済成長は縫製品の輸出が支えている

カンボジアの経済成長を実現させている最大の要因は、なんといっても縫製品の輸出です。

縫製品とは

服の生地を、洋服や下着、寝具などを衣類に加工した製品のこと

 

カンボジアにおいて最大の輸出産業は、欧米や日本の大手アパレルメーカーの縫製品となっています。

欧米や日本のアパレルメーカーが、人件費の安いカンボジアで縫製品の生産をすることで、工場で働いている労働者の賃金が上昇して、結果的に経済成長を実現させているのです。

さらに、欧米や日本といった先進諸国が、カンボジアなどの開発途上国からの輸入関税を免除しているので、カンボジアで生産された縫製品の輸出はより拡大を続けています。

カンボジアの2015年の輸出統計では、およそ75%が衣類とその付属品となっています。

引用元(画像はhttps://mimir-inc.biz/media/overseas/overseas_cambodia_1/から)
カンボジア経済財政省関税消費税総局

この数字から、いかにカンボジアの輸出産業は、縫製品が主役になっているのかが伺えますね。

カンボジアの経済成長の不安要素

好調が続いているカンボジア経済ですが、成長を妨げかねない不安要素もいくつか存在しています。

経済成長への不安要素をまとめてみると

1.政局の不安
2.中国の影響力の増加

以上が挙げられます。

それぞれを紹介していきますね。

1.政局の不安がリスクになっている

カンボジアでは、現在政権を握っているフン・セン政権によって野党が解党させられたり、政府に批判的な新聞社やラジオ局が閉鎖に追い込まれるなど、非民主的な政治が行われています。

この政治姿勢によって、民主主義を掲げる欧米や日本との摩擦を生み出し、経済面での協力が妨げられる可能性が不安要素となっているのです。

2.中国の影響力が増加している

カンボジアでは、経済面で年々中国への依存度を高めています。

具体的には、

・中国企業による縫製品の製造・輸出
・中国資本によるインフラ開発
・中国観光客の増加

などです。

なので、中国の景気が悪化した場合には、カンボジアの経済も引きずられて、大きなダメージを負ってしまうリスクがあるのです。

まとめ

この記事では、年々経済成長しているカンボジアについての以下の情報を紹介していきました。

・カンボジアが経済成長している理由
・カンボジアの経済成長を支えている産業
・カンボジアの経済成長の不安要素

高い経済成長を実現しているカンボジア経済を、今後も注目していきましょう。