【第1回目その1】声の3種類と、3つのトレーニングメニュー(ハミング、ドヤ顔、F1)
声には3種類ある
INDEX
  1. ▼そもそも、演技で使う声って?
  2. ▼3種類の「声」
    1. 1.頭部共鳴(ヘッドボイス)
    2. 2.ミックスボイス(ミドルボイス)
    3. 3.顔面共鳴(お芝居はコレ!)
  3. ▼顔面共鳴を出すには?
    1. ハミングを毎日しよう
    2. ハミングの応用
    3. ドヤ顔トレーニング
    4. F1レーストレーニング
    5. 「輪郭のない、ぼやけた声」と言われる方へ

▼そもそも、演技で使う声って?

実は、声にもいくつかの種類があります。

お芝居をするにあたっては、どんな劇団や養成所でも「基礎トレーニング・基礎練習」がありますよね。

基礎練習ではア・イ・ウ・エ・オと大きく口を開けて発音することが多いです。

そんな基礎練習のなかで、「自分はどの位置が出やすい声なのかな?響きやすい声なのかな?」を探ります。

でも、「いい声ってどこ?」と言われると、なかなか言葉では説明しづらい部分だと思います。

そこで第1回目は、「どのようにしたら狙いの声が出るか」を実際のトレーニングを交えて、お伝えします。

▼3種類の「声」

大きく区別すると、声には次の3種類があると思ってください。

声は「響かせる位置」があります。頭のどの部分で響かせるか?によって声の種類が変わります。

1.頭部共鳴(ヘッドボイス)

  • 頭の後ろで出す音のこと

主にオペラ歌手、歌を歌う際のヴォーカルなどで使う音です。お芝居ではあまり使いません

2.ミックスボイス(ミドルボイス)

  • 頭の真ん中より前で出す音のこと

主にヴォーカルが使う音です。歌では使いますが、お芝居ではあまり使いません

3.顔面共鳴(お芝居はコレ!)

  • 頭の前面、つまり顔面で出す音

これこそが、主に演技で使う音です!

顔面共鳴は「声が届きやすくなる」ので、普段の会話でも有効活用できます。

▼顔面共鳴を出すには?

お芝居では「顔面共鳴」を活用します。

顔面共鳴を理解するために、「頭部共鳴(ヘッドボイス)」と比較してみましょう。

例えばオペラ歌手が歌うときは、頭頂部(ヘッド)がいちばん音が響いているイメージがありませんか?

歌ならこれでいいのですが、顔面共鳴の場合はオペラのような声の出し方はしません。※絶対に使わないというわけではないのですが「とりあえず頭頂部は使わない」と割り切るレベルでOKです

お芝居をするにあたっては顔面共鳴こそ「あなたが出すべき声」と考えてほしいです。

声優として声をマイクに乗せるときも、この顔面共鳴を使うことが非常に多いです。

なぜ顔面共鳴が良いかというと、「狙った場所に声が届くから」です。「指向性のある声が出せる」からです。詳しくはまたどこかで説明します。

さて、この顔面共鳴を出すためのトレーニングをお伝えします。

ハミングを毎日しよう

ハミングというトレーニングを毎日してみましょう。

正しいハミングをすれば、早い人で2週間、遅くても3ヶ月もすれば効果を実感できます。

まず口は閉じた状態で、唇の力だけを抜きます。よだれが出るくらい弛緩させます。

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そこからウ゛ーーーと地声を出します。

唇に指をかるーく当ててみてください。唇が非常に細かく振動する声があるはずです。鼻がむずがゆくなるレベルで共鳴する声があるはずです。

「この声がいちばん振動してるな〜」という部分を探し当てたら、つぎは唇を開いて声にしてみます。

ヴ〜〜〜〜〜 → ア〜〜〜〜〜と声にしてみます

実はこのときに出ている声こそが「もっとも使える声」です!

ハミングの応用

通常のハミングに慣れたら、「鼻先がよく震える声」を探してみましょう。

喉で発生していたヴーーーという「音源」を、少しずつ「鼻の奥」へ持っていってみてください。

上手くいくと、唇も鼻先も、どちらも非常に細かく震えます。共鳴している状態です。

これは鼻の横にある空洞「副鼻腔」が共鳴しているということです。副鼻腔の共鳴ができると、さらに声の幅が広がります。

ちなみに、鼻先を振動させるときに、唇の振動が止まるのは間違っています。最初は難しいので、基本のハミングからやってみてください。

一度「これだな」というのさえ分かれば、あとは出来るようになるので、焦らなくてオーケーです。

ドヤ顔トレーニング

「ドヤ顔で喋る」というトレーニングもあります。これは非常に有効です。

ためしにドヤ顔をしてみてください。

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こんなふうにドヤ顔をすると、顔面の皮が後ろへつっぱりませんか?

例えば「太鼓の表面に張った革」や「ギターの弦」は、ピンと張った状態でないと音が鳴りませんよね?それと同じで、顔面の皮もつっぱってあげる必要があります。

また、ドヤ顔をすることで目に力が入りませんか?もっと正確に言うと、「目の奥側に力が入る感覚」がありませんか?眼球の奥には視神経があって、そこにも空洞があります。ここに力を入れてピンと張ることによって、顔面共鳴の「いい音」が出るようになります。

実はこの2つが、「顔面共鳴を出す」ための条件です。

繰り返しになりますが、この顔面共鳴は、お芝居で「特定の場所に音声を飛ばしたい」「マイクに綺麗に音声を乗せたい」ときに有効です。

F1レーストレーニング

音を「特定の場所に飛ばす」のに有効なトレーニングです。

頭上で「F1レースカー」が走っているイメージで声マネをします。


①後ろから走ってきて②頭上を通り過ぎて③前へ走り抜いていく感じ

何m先まで走り去っていったかも、音声で表現します。いまどの辺にいるか、指を指して追いかけてもOKです。

声の位置は、鼻より高いところをキープします。鼻より低い位置にならないように注意します。(また説明します)

ぜひ、練習してみてください!

「輪郭のない、ぼやけた声」と言われる方へ

以上のトレーニングを行うと、演技に使えるだけでなく、日常生活でもいいことがあります。

例えば「ぼやけた声に聞こえる」と言われたことがある人(まさに私です)は、だんだんと言われなくなる期待ができます。

わたしの場合、「地声に方向性がなくて、全体にぼわーんと広がった声をしている。ぼやけた声と言われることもあるし、誰に向けて話してるか曖昧でよくわからない、と言われることもある声ですよね」と指摘されました。まさにそのとおりです・・・

いっぽう「方向性のない声は、落ち着きや安心感を出すには適している」らしいのですが、「演技をしたい、ハリも方向性もある声を出したい」と考えるならこのトレーニングで声の方向性を作っていった方がいい、との話でした。

一緒にがんばりましょう!

続きます

【第1回目その2】声には方向性(指向性)がある。風船トレーニング法!