ひきつづき内容が小難しかったり、面倒なことが続いたりします。
ぶっちゃけわからなければ飛ばしてOKです。演技のレッスンを一周経験してから戻るとすんなり理解できた、ということもじゅうぶんあるので、あんまり思い悩む必要はありません!わたしも講師からよく言われます。
▼「わ〜、すごーい!」は共感か?
台本:星に願いをの冒頭、役2のセリフ「わ〜、すごーい!」の目的を考えてみましょう。
例えば、「役1と3に空が綺麗なことを共感させたい」はどうでしょうか?
役2の目的:役1と3に”空が綺麗なこと”を共感させたい
役2の言動:わ〜、すごーい!と言った
これが妥当な「目的」かどうか、検討してみましょう。
目的は「お芝居として成立しているか・妥当かどうか」で見ます。「この目的は絶対に合っている、絶対に間違っている」ということはありません。「ふさわしい、ふさわしくない」ならあります。
「わ〜、すごーい!」のセリフが出るきっかけとなったのは、役3の「あ、ねぇ空見てみて」という言葉でしたね。
3:あ、ねぇ空見てみて。
2:わ~、すごーい!
ここで、いったん「役2の目線」から抜け出して、「神の目線」に移って役3の目的を考えてみましょう。
2の「あ、ねぇ空見てみて」の目的は「綺麗な空を見させたい」だとします。
3:あ、ねぇ空見てみて。
セリフを言った目的:綺麗な空を見させたい
役3が「綺麗な空を見させたい」のはなぜでしょうか?
見させたいということは、役1と2に「空が綺麗」だと知ってほしいんですよね。
知って、どうさせたいのでしょうか?知らせれば満足でしょうか?
わたしはここで「1と2にも綺麗だと思ってほしい」のだと感じました。
まとめると、役3の目的は「空が綺麗なことを知らせたい。1と2にも同意させたい」ということです。
すると、役2と役3の目的が被っていることが分かるでしょうか。
役2の目的:役1と3に”空が綺麗なこと”を共感させたい
役3の目的:空が綺麗なことを、1と2にも同意させたい
2と3の目的が被っていること自体はまったく問題ありません。役同士の心の中なんて、お互いわかるはずが無いからです。
ただ、これが「お芝居として【妥当】なのか?」という点を考えると話は別です。
整理すると、
- 役3が「空が綺麗だと発見したから見て!1と2もそう思うでしょ?同意して!」と発信して、
- 役2が「わ〜、すごーい!1と3もそう思うでしょ?共感してして!」
と言っています。これだと、2が3の手柄を横取りしているようなことになりませんか?
3は「それ私が先に思ってたことなんですけど!?」とイライラするかもしれません。
2がそのように横取り発言をするのは「妥当」でしょうか?キャラクターとして一本筋が通っているでしょうか?
もしも「妥当ではないよな」と感じたなら、2の「ひとつ前の目的」に戻ってあげましょう。あくまで同じ役の過去へ戻ることがミソです。
1:あ〜、遅くなっちゃったね。
2:さむ〜!
3:あ、ねぇ空見てみて。
2:わ~、すごーい!
前回も言ったとおり、目的を設定すると、こういった手戻り・検討やり直しが簡単に出来るから便利なんです。
目的の設定は手戻り・検討やり直しが簡単に出来るから便利!
次へ続きます。
まだまだ理解は難しいと思います。がんばりましょう!