【第5回その3】目的を考える練習をしよう
目的を考える練習

この記事は2020年2月16日に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

ひきつづき内容が小難しかったり、面倒なことが続いたりします。

ぶっちゃけわからなければ飛ばしてOKです。演技のレッスンを一周経験してから戻るとすんなり理解できた、ということもじゅうぶんあるので、あんまり思い悩む必要はありません!わたしも講師からよく言われます。

INDEX
  1. ▼「わ〜、すごーい!」は共感か?

▼「わ〜、すごーい!」は共感か?

台本:星に願いをの冒頭、役2のセリフ「わ〜、すごーい!」の目的を考えてみましょう。

例えば、「役1と3に空が綺麗なことを共感させたい」はどうでしょうか?

台本:星に願いを

役2の目的:役1と3に”空が綺麗なこと”を共感させたい

役2の言動:わ〜、すごーい!と言った

これが妥当な「目的」かどうか、検討してみましょう。

「目的に正解」はありません!

目的は「お芝居として成立しているか・妥当かどうか」で見ます。「この目的は絶対に合っている、絶対に間違っている」ということはありません。「ふさわしい、ふさわしくない」ならあります。

「わ〜、すごーい!」のセリフが出るきっかけとなったのは、役3の「あ、ねぇ空見てみて」という言葉でしたね。

3:あ、ねぇ空見てみて。
2:わ~、すごーい!

ここで、いったん「役2の目線」から抜け出して、「神の目線」に移って役3の目的を考えてみましょう。

2の「あ、ねぇ空見てみて」の目的は「綺麗な空を見させたい」だとします。

3:あ、ねぇ空見てみて。

セリフを言った目的:綺麗な空を見させたい

役3が「綺麗な空を見させたい」のはなぜでしょうか?

見させたいということは、役1と2に「空が綺麗」だと知ってほしいんですよね。

知って、どうさせたいのでしょうか?知らせれば満足でしょうか?

わたしはここで「1と2にも綺麗だと思ってほしい」のだと感じました。

まとめると、役3の目的は「空が綺麗なことを知らせたい。1と2にも同意させたい」ということです。

すると、役2と役3の目的が被っていることが分かるでしょうか。

役2の目的:役1と3に”空が綺麗なこと”を共感させたい

役3の目的:空が綺麗なことを、1と2にも同意させたい

2と3の目的が被っていること自体はまったく問題ありません。役同士の心の中なんて、お互いわかるはずが無いからです。

ただ、これが「お芝居として【妥当】なのか?」という点を考えると話は別です。

整理すると、

  • 役3が「空が綺麗だと発見したから見て!1と2もそう思うでしょ?同意して!」と発信して、
  • 役2が「わ〜、すごーい!1と3もそう思うでしょ?共感してして!」

と言っています。これだと、2が3の手柄を横取りしているようなことになりませんか?

3は「それ私が先に思ってたことなんですけど!?」とイライラするかもしれません。

2がそのように横取り発言をするのは「妥当」でしょうか?キャラクターとして一本筋が通っているでしょうか?

もしも「妥当ではないよな」と感じたなら、2の「ひとつ前の目的」に戻ってあげましょう。あくまで同じ役の過去へ戻ることがミソです。

1:あ〜、遅くなっちゃったね。
2:さむ〜!
3:あ、ねぇ空見てみて。
2:わ~、すごーい!

前回も言ったとおり、目的を設定すると、こういった手戻り・検討やり直しが簡単に出来るから便利なんです。

目的のメリット

目的の設定は手戻り・検討やり直しが簡単に出来るから便利!

次へ続きます。

まだまだ理解は難しいと思います。がんばりましょう!

【第5回その4】目的を「調整」する練習をしよう