▼ドラマが生まれる条件
以前、リアリティの延長線上にあるものがドラマだと説明したのを覚えているでしょうか。
では、ドラマとはどのようにして生まれるのでしょうか。
実は、ドラマとは大きく3つに分類できます。
1.共生(融和)
2.追従
3.反発
以上の3つのみです。この3つがあるとドラマが生まれます。逆に言うと、この3つが無いとドラマは生まれません。物語は必ずこの3パターンのいずれかに「当てはまり続ける」ものです。
より詳しく説明すると、つぎのとおりです
1.共生(融和)=互いが互いを認めている状態。双方向。
2.追従=片方が追いかけ、片方が逃げている(拒絶する)状態。片方向。
3.反発=互いが互いを拒絶する状態。
▼役から見た状態と、外(創り手)から見た状態は異なる
台本:星に願いをでは、中盤で役1,2,3と星の精霊が言い合うシーンがあります。
精霊:待って待って。
2:なんなんだよお前!
3:通報するわよ!!
精霊:君たちが私を呼んだんでしょ!!
1:どうみても怪しい奴の言うことなんか信じられないわよ8!
2:それに、例え本物だったとしても俺たちが望んでたのはもっと「かっこい〜い」精霊!
3:私たちはあなたを星の精霊だと認めないわ!!
星の精霊の目線でシーンを見たときのことを考えてみましょう。星の精霊は、役1,2,3に反発しているつもりはなくて、自分のことを受け入れてもらおうとしています。つまりこれは「追従」の状態です。
精霊という役から見たときは「追従」だと思っている!
しかし、外(創り手・観客)から見ると「役3人と星の精霊が、いがみ合っているな」と受け取れます。つまり外から見ると「反発」に見えます。
観客から見たときは「反発」だと思っている!
このギャップに気づかずに物語を見てしまうと、たいへんです。
台本を読み解く際に「このシーンは反発だな」と解釈して(決めつけて)しまうと、誤った演技になってしまいます。
「互いが反発しあっている状態」と、「星の精霊が追従しようとしている状態」では、星の精霊の演技はまるで異なります。
「台本の中から見る意識」と、「台本の外から見る意識」この両方を持っていなくてはいけない、ということなんですね。
がんばりましょう!