【第8回目その4】お芝居に「感情」はいらない?
感情は不要?

この記事は2020年3月11日に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

INDEX
  1. ▼感情はあくまでおまけ
  2. ▼ロジックとステレオタイプの違い

▼感情はあくまでおまけ

お芝居を学ぶ私たちにとって、感情はあくまで最後のエッセンス、おまけ程度と捉えるべきです。

なぜかというと、感情とは数値にできるものではないからです。感情とは個人の中にある感覚がすべてだからです。

思いのまま・感情のまま演技をして成立するのは、いわゆる天才と呼ばれる人だけです。

私たちは天才ではありません。この差を埋めるのは、論理=ロジックです。ロジックで辿り着くしかありません。

ロジックとはつまり、

  • 楽しいときは目尻を上げると、そう見えるよ
  • 怒っているときは眉をしかめると、そう見えるよ

といった、ロジカルな組み立ての集合体です。

ロジック(論理)をフィジカル(身体表現)で再現してあげることが、お芝居の面白いところです。

※音声表現もフィジカルの一種です!

▼ロジックとステレオタイプの違い

「楽しいときは目尻を上げるとそう見える」と言うと、なんだかただのテクニックのように感じてしまいます。

例えば、

  • イギリス人といえば金髪で紅茶をよく飲む
  • アメリカ人といえばブロンドで巨乳

といった、アニメなどでよくある「ステレオタイプ」も、「分かりやすさ」の塊です。ステレオタイプとロジックは、同じことを指しているのでしょうか?

いいえ、同じことは指していません。

ただしステレオタイプは「見ている方としては分かりやすい」ので、使える部分はどんどん使ってOKです

ところがステレオタイプのみを利用すると、困ることも出てきます。それは「ステレオタイプから外れる部分が出てきたとき」です。

例えば、

  • イギリス人で金髪だけど、紅茶ではなく大酒のみとか
  • アメリカ人だけどアジア系の混血とか

ステレオタイプでは測ることのできない役というのは、非常に多いです。むしろほとんどがステレオタイプに当てはまらないと言っていいでしょう。

仮にステレオタイプのみで役を進行してみると、意外と「目的が成立しない」部分が出てくることが分かってきます。

もちろんステレオタイプのいいところ(分かりやすい部分)はどんどん吸収してあげたらいいです。

だから、

  • 怒るときはこういう表情をするとよい
  • 楽しむときはこういう表情をするとよい

というロジックは「安易だ」と思わずにどんどん使ってあげてOKです。

がんばりましょう!