▼コントに見える「切り替え」
前回の続きです。
演技の「切り替え方」によっても見え方が違います。とくに一人芝居のときに意識することです。
- 「これは僕が小学校のときの話です」→移動→『おはよー』
- 「おはよう!」→『おはよー』→「元気?」→『げんきだよー』
以上のように、ひとりでお芝居をするときは、役ごとに位置を変える(切り替える・わずかな間を作る)と、コント色が強く出ます。
プツッと切れる間が多いのは、特に漫才がいい例です。
「はいどうも〜〜○○です〜〜!」→『ということでですね!』→「この前ね、うちの母ちゃんからこんなことを聞きましてね」→お母ちゃんのモノマネ開始
もしもコント色・お笑い色を出したくないのであれば、場面切り替えを観客に意識させないような、プツッ、パキッと切り替えるのでなく、ぬるっとした場面切り替えを意識しましょう。
▼万能の「空気」3パターン
場の「空気」は万能の道具です。空気を狙いの方向に持っていくことで、なにをやっても許されるくらいお芝居が成立しやすくなります。3パターンご紹介します。
1.笑いの空気
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上記で説明したものと同じです。お芝居がプツン、プツンと短いスパンで切れています。細切れにすることでお笑いのイメージが付きやすくなります。場面の切れるところ(編集点)で笑いが起きやすくなります。
また、編集点は空気がリセットされやすいのも特徴です。
2.ファンタジーの空気
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するーっと世界観に入り込み、編集点も少ないです。お芝居が連続しています。だんだん物語がクレッシェンドにふわぁ〜っと上がってくることでファンタジー色が強調されるパターンです。
ただし、いきなりエンジン全開でファンタジーを出すと観客がポカーンとして置いてけぼりを食う危険があるため、観客の心が追いついてこられる程度の走り出し→助走→飛躍をしてあげる必要があります。最初は日常生活の描写から始めたりします。
3.ミステリー・ホラーの空気
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するーっと世界観に入り込み、編集点も少ないです。お芝居が連続しています。物語の最後に近づくにつれてトーンが下がっていく。ホラーや、背筋が凍るような空気感を作り出せます。
以上のとおり、編集点・切り替え点を頻繁に作るほど「お笑い」の空気ができやすいことが分かります。
ファンタジー色にしたいのなら、編集点を目立たせないように場面の切り分けを「じわぁ〜」っと場面が繋がるように行うのが効果的です。「さて!」「さぁ!」というきっかけも編集点になりますので、繋ぎ目をなだらかにするよう演技をします。
がんばりましょう!