【第8回目その8】演技の「型」1

この記事は2020年3月10日に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

INDEX
  1. ▼自由な発想で演技をするとは
  2. ▼本当っぽい嘘をする
  3. ▼「ここはオチだよ」という分かりやすさ
  4. ▼尺が長くなるとクライマックスかと身構える
  5. ▼「創作話っぽい演技」と「現実話っぽい演技」

▼自由な発想で演技をするとは

オーディションや面接などで「自己アピール」をする場はきっと出てきます。

自由な発想で行なえと言われても難しいですよね。

ひとつヒントがあります。

  • 人から言われること
  • 鏡をパッと見て思いつくこと

これらを思いのまま書き出してみてください。べつに「高度な分析」じゃなくていいんです。観察です。

例えばわたしは自分自身を鑑みて、ぱっと次のようなことが思い浮かびました・・・

  • 痩せてる
  • 身長たかい
  • 挙動不審がち

などです。

一言で言うと「身長が高くて痩せがたの挙動不審な人物」です。

言ってて悲しくなりますが、「これから、この人が演技やアピールをするんだ」と考えるのが出発点です。

▼本当っぽい嘘をする

演技とは、嘘をつくことです。

演技を大きくしようとすれば、どこまでも大きくできてしまいます。

では、どのへんが「丁度いい具合の演技」と言えるのでしょうか?

ひとつの方法として「本当に見えるけど、嘘ですよ」と観客がわかる辺りを攻めます。

例えば、「ガチの挙動不審」と「演技上の挙動不審」の違いを想像すると分かりやすいかもしれません。

  • 不意に視線が動いたり手足がビクつくガチの挙動不審
  • 視線移動や手足の動きがリズミカルな挙動不審

芸人のつぶやきシローも、挙動不審を活かす芸ですね。

「わざとらしい」ではなくて、「敢えて、わざとやってますよ」が観客に伝わるのがミソです。絶妙なところですね。

リアルとリアリティの話にも通じるところがあります。

【第5回その2】【重要】リアルとリアリティの違い

自己アピールや、条件だけ与えられて後は好きに演技をするエチュードなんかも、これでやりやすくなります。

▼「ここはオチだよ」という分かりやすさ

今回、「自分でお芝居を考えて披露する。テーマはクリスマス」というお題を行いました。

そこで私は次のような「クリスマスの表現」を考えました。

クリスマスの表現

朝起きると、子犬が家にいた

大喜びする僕。子犬と一緒に寝る

翌朝起きると犬が大きくなって僕はびっくり。犬に翼も生えてた

犬が背中に乗れと言うので乗る

大空を駆け回る

サンタさん素敵なプレゼントをありがとう!

これを講師に見てもらったところ、「どこでオチるのか分からなくて、もやもやしたまま終わる」という話を貰いました。

翼が生えて、「お前、犬じゃなかったのか!」で終わる(オチ)かと思いきや、続いて空を飛び回りだして、どこがオチか分からず、観客が混乱するというのです。

▼尺が長くなるとクライマックスかと身構える

お芝居で尺が長く大きくなってくると、観客が「そろそろクライマックスかな」と身構えるようになります。

例えば数を数える時、

「1、2、3、4、5、6、7、8、、、9、、、、、10!」

と来れば10がクライマックスだと分かります。

では、

「1、2、3、4、5、6、7、8、、9、、、、、10、11、12、13」

と続くとどうでしょう?

「いや、10で終わりじゃなかったのかよ!」と準備していた心のはしごが外されてもやもやしますよね。

▼「創作話っぽい演技」と「現実話っぽい演技」

大人の私が「あっ!ワンちゃんだぁー!」とあからさまに幼児感を強調して演じ始めると、観客は「ギャグかな?」と受け取りやすくなります。

いっぽう、普段の私のまま「”幼い頃、犬が欲しかったんです……”→わぁ、犬がいるよ!」と、独白を挟んでから演技に入ると、観客は「本当にあった出来事なのだな」と受け取ります。

あるいは「あぁッ…!ワンちゃんだッ!!」などオーバーなミュージカルテイストなどで行くと、空想の出来事と受け取られやすくなります。

この話はファンタジーなのか?ギャグなのか?現実で起きた話なのか?を、口頭説明でなく、自分の行動で示せるようになると良いですね。

がんばりましょう!