▼自由な発想で演技をするとは
オーディションや面接などで「自己アピール」をする場はきっと出てきます。
自由な発想で行なえと言われても難しいですよね。
ひとつヒントがあります。
- 人から言われること
- 鏡をパッと見て思いつくこと
これらを思いのまま書き出してみてください。べつに「高度な分析」じゃなくていいんです。観察です。
例えばわたしは自分自身を鑑みて、ぱっと次のようなことが思い浮かびました・・・
- 痩せてる
- 身長たかい
- 挙動不審がち
などです。
一言で言うと「身長が高くて痩せがたの挙動不審な人物」です。
言ってて悲しくなりますが、「これから、この人が演技やアピールをするんだ」と考えるのが出発点です。
▼本当っぽい嘘をする
演技とは、嘘をつくことです。
演技を大きくしようとすれば、どこまでも大きくできてしまいます。
では、どのへんが「丁度いい具合の演技」と言えるのでしょうか?
ひとつの方法として「本当に見えるけど、嘘ですよ」と観客がわかる辺りを攻めます。
例えば、「ガチの挙動不審」と「演技上の挙動不審」の違いを想像すると分かりやすいかもしれません。
- 不意に視線が動いたり手足がビクつくガチの挙動不審
- 視線移動や手足の動きがリズミカルな挙動不審
芸人のつぶやきシローも、挙動不審を活かす芸ですね。
「わざとらしい」ではなくて、「敢えて、わざとやってますよ」が観客に伝わるのがミソです。絶妙なところですね。
リアルとリアリティの話にも通じるところがあります。
自己アピールや、条件だけ与えられて後は好きに演技をするエチュードなんかも、これでやりやすくなります。
▼「ここはオチだよ」という分かりやすさ
今回、「自分でお芝居を考えて披露する。テーマはクリスマス」というお題を行いました。
そこで私は次のような「クリスマスの表現」を考えました。
朝起きると、子犬が家にいた
↓
大喜びする僕。子犬と一緒に寝る
↓
翌朝起きると犬が大きくなって僕はびっくり。犬に翼も生えてた
↓
犬が背中に乗れと言うので乗る
↓
大空を駆け回る
↓
サンタさん素敵なプレゼントをありがとう!
これを講師に見てもらったところ、「どこでオチるのか分からなくて、もやもやしたまま終わる」という話を貰いました。
翼が生えて、「お前、犬じゃなかったのか!」で終わる(オチ)かと思いきや、続いて空を飛び回りだして、どこがオチか分からず、観客が混乱するというのです。
▼尺が長くなるとクライマックスかと身構える
お芝居で尺が長く大きくなってくると、観客が「そろそろクライマックスかな」と身構えるようになります。
例えば数を数える時、
「1、2、3、4、5、6、7、8、、、9、、、、、10!」
と来れば10がクライマックスだと分かります。
では、
「1、2、3、4、5、6、7、8、、9、、、、、10、11、12、13」
と続くとどうでしょう?
「いや、10で終わりじゃなかったのかよ!」と準備していた心のはしごが外されてもやもやしますよね。
▼「創作話っぽい演技」と「現実話っぽい演技」
大人の私が「あっ!ワンちゃんだぁー!」とあからさまに幼児感を強調して演じ始めると、観客は「ギャグかな?」と受け取りやすくなります。
いっぽう、普段の私のまま「”幼い頃、犬が欲しかったんです……”→わぁ、犬がいるよ!」と、独白を挟んでから演技に入ると、観客は「本当にあった出来事なのだな」と受け取ります。
あるいは「あぁッ…!ワンちゃんだッ!!」などオーバーなミュージカルテイストなどで行くと、空想の出来事と受け取られやすくなります。
この話はファンタジーなのか?ギャグなのか?現実で起きた話なのか?を、口頭説明でなく、自分の行動で示せるようになると良いですね。
がんばりましょう!