【第4回目その1】お芝居は、目的に沿っていれば「何でもアリ」
目的に従って行動
Q.基礎練をしても、以前より変化が感じられなくなりました。負荷を上げたほうがいいのでしょうか?

A.従来の基礎練メニューのままでも特に問題ありません。

原付バイクと自動車を想像してください。

原付が40kmを出そうとすると、エンジンに無理がかかります。

いっぽう自動車が40kmを出したところで、エンジンにはまだ余裕があります。

基礎練では身体を原付から自動車にアップグレードをすることです。基礎練で変化が感じられなくなったということは、40kmを出してもまだ余裕のある身体になってきたということです。

基礎練は負荷の高い筋トレをして筋繊維をぶちぶち切って成長を促すというよりは、「身体を使う」という身体の複雑な動きを慣らすためのものです。

さあ、今回もやっていきましょう!

INDEX
  1. ▼物語が成立していれば「なんでもアリ」
  2. ▼目的が異なると、言動(方法、手段)が異なってくる

▼物語が成立していれば「なんでもアリ」

例えば、朝、通学や通勤中に「おはようございます」と他人に話しかけたとします。

このときの目的はなんでしょうか?

(おさらい:目的とは、相手に具体的な何かをさせるために、簡単で、失敗する可能性があること。○○させるため、と言い換えられる))

  • 「おはよう」と返させるため
  • 「彼を自分と仲良く」させるため

など、さまざま思い浮かびますね。

しかし、次のような目的ではないことが分かるでしょうか。

  • 「挨拶を無視させる」ため
  • 「こんばんは」と返してもらうため

上記のような、物語が成立しない目的はあり得ません。

逆に言うと、物語が成立する目的でさえあれば、内容は一切問われないというメリットもあります。

例えば物語には「相手を黙らせたいために人を刺す」なんていう、現実ではなかなか起こり得ないシーンも出てきます。物語が成立するのなら手段内容は一切問われないという発想力は、心の片隅に持っておきましょう。

▼目的が異なると、言動(方法、手段)が異なってくる

もう一度「おはよう」という挨拶を考えてみます。どんな「おはよう」が考えられるでしょうか?

  • (昨日喧嘩した彼に、悪かったという気持ちを受け取らせるために)「…おはよう」と発する
  • (昨日デートした女性が、今朝登校するのを見かけて)おはようと返事をさせるため「おはよ」と発する
  • (おじさん教師が女子生徒に)自分の存在に気づかせるために「おっはっよ」と発する

以上のように、その役(性質・性格・人間関係を持つ人物)によって取りうる言動はさまざまですよね。

目的を達成させるためには、言動(方法、手段)は無数にあります。

あくまで、そこに「台本」という都合が乗っかっているから「おはよう」というセリフで表現しなければならないだけです。

仮に、アドリブで「おはよう」を「元気?」と置き換えてみてください。別におはようと言わなくても物語が成立しそうなのが分かるでしょうか?

あるいは、アドリブで言葉を使わずに「相手の前に立ちふさがってみる」だけでも物語が成立しそうじゃありませんか?

役は「台本のセリフをそのまま読む人間」ではありません。「その役の持っている目的を達成しようと動く人間」です。

そして、最高の演技をするにあたってぜひ覚えておいてほしいのは「物語を潰さなければ何をしてもOK」ということです。先ほども言ったとおり、この発想は非常に重要です。

逆に何をしてもいいという発想を持っていないと、みんなが同じ「おはよう」とただ読み上げるだけの演技になってしまい、お芝居は非常につまらないものになります。

目的を達成させるための手段は「物語を潰さない」限り何でも許されます。そこに台本があるから、役がたまたまその言葉をチョイスしただけだということを忘れないでいてほしいです。