今回は、たった1〜2行のセリフを、こまかく紐解きます。
退屈に感じる場合は、次の【第6回その3】アクションとリアクションの間にあるレスポンスへ進んでしまっても構いません。
以前もお伝えしたとおり、ぶっちゃけザッと読んで「よくわからない!」と思ったら、さっさと先に進んでしまうのが賢いやり方だと思います。
なぜなら、最初は「うーんよく分からない」という内容があっても、少しの知識や体験が身についてから「ああ、そういうことだったんだ!」とすぐ理解できるようになる場面はたくさんあるからです。
大切なのは、毎日少しずつでもいいので、お芝居に触れ続けることです。
▼流れ星のシーンは人対物か?
台本:星に願いをの「あ、流れ星!」のセリフを紐解いてみましょう。
3:あっ、流れ星!!
3人、声を合わせて
3人:もてたい!もてたい!!もてたい!!!
「あっ、流れ星!」という声を聞いた、役1の視点から見てみます。
役1は「あ、流れ星!」と言われた瞬間に「目的の邪魔」が入り、目的が変更されたのでしょうか?
※目的が変更する条件は「目的が達成するか失敗するか邪魔されるか」でしたね
過去の記事:【第3回その3】【最重要】目的(メソッド)を設定するメリット
ちょっと内容が難しいでしょうか?
聞き方を変えると、「役1は、あっ流れ星!と叫んだ役3の声に反応して目的変更したのでしょうか?それとも流れ星が落ちたことに反応して目的変更したのでしょうか?」
実は、次のように台本を分解することで、比較的かんたんに理解ができるようになります。
- 「あ、流れ星!」と指をさす役3と、
- 役3のセリフを聞いて流れ星を見た役1
役1は、役3の言葉を聴いて「え?」と振り返り、見た瞬間に「あ!」と驚くのが想像できるでしょうか。この反応の違いは重要です。
役3の言葉を聴いて「え?」と振り返った瞬間には、役1の目的の変更は起きていません。
流れ星を「あ!」と思った瞬間に、役1の心の中では目的の変更が起きているのです。
3:あっ、流れ星!!
↓
1の心の中:えっまじ?(目的変更なし)
↓
1の心の中:ほんとだ流れ星だ!(目的変更あり)
流れ星を見たことで目的の変更を受けているので、人対物ということになります。
反応(レスポンス)した瞬間は目的は変わらない!
なぜ、「あっ、流れ星!」というセリフで1の目的は変わらず、自分で流れ星を見た瞬間に目的が変わるのでしょうか?
それは役3が「あ、流れ星!」と言葉を発して、役1が「え?」と振り返るシーンは、「役3の目的が成功した」瞬間だからです。
目的が達成された瞬間は、役1の目的は変わりません。つまり以前の目的を持ったままなのです。
他の役の目的が達成した瞬間(=他人の言動に反応した瞬間)は、目的変更は一切起きない!
もう一度言います。流れ星を目撃するまでは、役1は目的の変更を受けていません。流れ星を目撃した瞬間に目的の変更を受けたのです。
「何がどう違うんだ??」と混乱する方もいると思います。詳しくは次の【第6回その3】アクションとリアクションの間にあるレスポンスで説明します。
本記事を終わる前に、もう少しだけ考えてみましょう。
さて、役1は流れ星を見たことで、どんな目的の変更が起きたでしょうか?「もてたい!」と願うということは、どんな目的に設定されたのでしょう?
まず、モテたいにも色々ありますよね。例えば「100人の異性から告白されたい」のか「特定の1人と付き合いたい」のか、どちらでしょうか?私は「特定の1人と付き合いたい」だと解釈しました。
「まだ見ぬ未来の異性と、手を繋いだりお付き合いしたい!」と考えているとしたら、かなりしっくり来ると思いませんか?
では新たな目的としては「他人を、自分の彼女にさせたい」になります。
ややこしい目的の書き方をしていますが、目的には「他人を使役する」ことが含まれている必要があるからです。まさに「まだ見ぬ未来の彼女」という部分が他人です。
がんばりましょう!