【第7回その4】「きっかけ」で見せ方をうまくするには
きっかけあれこれ

この記事は2020年3月9日に書かれたもので、内容が古い可能性がありますのでご注意ください。

今回は「お芝居をどう見せるか(見せ方)」の話です。

INDEX
  1. ▼「きっかけ」が無いとどうなるか
    1. 名作と駄作の違い?
  2. ▼「きっかけ風のシーン」を活用する映画
  3. ▼「使用禁止」もまた違う
  4. ▼まとめ

▼「きっかけ」が無いとどうなるか

前回、きっかけですべての物事が変わったり、動いたりすることを説明しましたね。

過去記事:【第5回その5】【重要】きっかけとは何か

この「きっかけ」を考えないと、いったいどうなると思いますか?

「わけが分からなくなる」です。

わかりやすい例が「B級映画、C級映画、D級映画」と呼ばれるような作品です。

きっかけもなく、いきなり化け物などを登場させてしまうのが、俗にいう「駄作と呼ばれるもの」です。理由もなくとつぜん空からモンスターが降ってきたら、観客もポカーンとなりますよね。

名作と駄作の違い?

ちなみに、映画インデペンデンス・デイは物語の冒頭でいきなり宇宙人が現れたりします。これもきっかけがなく唐突ですが、B級映画と言っていいのでしょうか?

いいえ、実はストーリーの最初だけは前触れ(きっかけ)なく唐突が許されます

なぜ唐突が許されるのでしょうか?難しい話ですが、物語の冒頭にすべての状況を説明してから物語を動かすと「反発」が起きづらいからです。

追従・反発を説明した過去記事はこちら:【第7回その2】ドラマが生まれる3分類

仮にストーリーの冒頭で、「地球を侵略する宇宙人が、どれだけ強くて脅威な存在か」をていねいに説明してしまうと、「それでも、人類は戦うんだ!(=反発)」とはならずに「戦うなんてムリでしょ!(宇宙人が侵略し人類が逃げる=追従)」という構図になるおそれがあります。

だから事前説明なしで、突如として侵略を始めるのです。

以上のようにあえて「きっかけ」を出さずに始める、という技法もあります。パニック映画に多いテクニックです。

▼「きっかけ風のシーン」を活用する映画

ドーン・オブ・ザ・デッドというゾンビ映画は、きっかけを逆手に取るテクニックを使用しています。

本編ではゾンビに噛まれた腕を、おそるおそる水で洗うシーンが出てきます。

明らかに「ゾンビに感染する前触れ」ですよね。しかし実際はゾンビになりませんでした。

このように「きっかけ」と思わせておいて、実はきっかけではなかった、という技法はホラー映画や「緊張させたいシーン」でよく見られるテクニックです。

▼「使用禁止」もまた違う

こうして物語の「見せ方」を考えていくと、

  • 「脈絡なくモンスターを登場させる」といった、レールから外れる行為は絶対にやっちゃダメのか?
  • 「きっかけ風のきっかけじゃないシーン」なんて使ったら安っぽいんじゃないか?観客を騙し討ちすることにならないのか?

などいろんな疑問も浮かぶと思います。

しかし、身も蓋もない結論としては、「面白ければなんでもOK」です。

  • どんなに古典的な手法を使おうと、面白くなればOK
  • ストーリーにプラスに働いていればOK

です。

これこそが、以前も伝えた「お芝居が破綻しなければ(成立すれば)OK」という大前提に立ち返るのが分かるでしょうか。

物語が成立すればOKと言った過去記事:【第4回目その1】お芝居は、目的に沿っていれば「何でもアリ」

しかし、台本の根底にあるのは人間関係です。

人間関係という前提となるレールがあってはじめて「レールから外れる」という選択肢が生まれることを忘れないでください。

人間関係を重視するという内容の過去記事:【第7回その1】「台本の読む」とは「人間関係を読む」こと

▼まとめ

台本を読むときは「性質・性格・人間関係」のうちの人間関係を読み解くことを最優先にしてみてください。すると目的も決まりやすくなります。

冒頭でも言ったとおり、人間関係を読み解くことができると、「ただ演じてみる」ところから「自分は役の中で何をしたらいいのか」が、はっきりと分かります。

「こんな演じ方をしたら演出家から怒られるかなぁ?」
「面白くないって言われるかもだから、やめておこうかな」

などの迷いが無くなります。

演出家たちからの、ダメ出しの出方も変わります。

がんばりましょう!

【第7回その5】「相手のために存在する」自分でいよう